Aircraft Maintenance 機体整備

確かな技術と最強のチームワークで高度なメンテナンスを追求する

ANAグループ整備部門の一員として、長年培ってきた経験と技術を活かした航空機整備を行っています。ドックにおける機体整備、電装整備、客室整備、構造整備、機装品整備の各セクションが専門性を活かすとともに、チームワークを発揮します。

ドック整備の種類

ANAグループが運航する大型機から小型機まで、すべての航空機のドック整備などを担当しています。

  • C整備
    <60人体制 約10日間>

    1年から2年毎に、機体構造、諸系統および装備品の定期的な点検と、不具合修復を実施します。

  • 重整備(HMV)
    <60人体制 約1ヵ月間>

    4年から5年毎に実施される重整備では、C整備の内容に加えて機体構造の点検・防蝕作業など、長期使用に伴う作業を実施します。

  • 夜間定例(A整備)
    <数人~10人体制 約5時間>

    最終便で到着した飛行機を、翌朝までに点検整備します。1ヵ月半から3ヵ月毎に定期的に行うA整備も実施します。

更なる業務領域の拡大

  • OS業務

    Outsourcing Supervisor業務は、BTCの各スキルの整備士が、ANA航空機の整備深度に応じて整備作業を委託している海外の整備専門会社(シンガポール、台湾、中国)へ出張し、機体の受領検査および整備専門会社エンジニアへ品質・技術面のアドバイスを行います。

  • 新造機領収業務

    領収検査員の資格を持った社員を製造段階から航空機メーカー(Boeing, AIRBUS, Bombardierなど)に派遣し、新造機の製造品質の確認と受領検査を実施します。機体のロールアウト(受領)計画に合わせて海外の製造メーカーへ出張し、ドック整備で培った知識と技術を活かし、ANAグループの機体の状態やシステムの作動検査などを実施します。

  • AOG業務

    突発的な不具合修復作業はAOG(Aircraft On the Ground) 業務と呼ばれ、飛行機を早期に運航できる状態に戻す対応が求められます。AOGが発生した際には、ANAの就航基地に限らず、世界中どこの空港にも整備士が駆けつけて機体の修復を行います。

GEM 機体整備

機体全般を他のセクションと連携しながら整備

格納庫で行う整備は、定期的に行われる点検・修復作業と、突発的な不具合修復作業の2種類に分けられます。定期的な整備は「夜間定例、C整備、重整備」があり、それぞれに対応した整備を行います。突発的な作業は「AOG(Aircraft On The Ground)」と呼ばれ、飛行機を早期に運航できる状態に戻す対応が求められます。

Interview インタビュー

機体整備 大川 隆仁 2006年4月入社 航空専門学校卒業

ドックでの整備を中心に、地方や
海外など様々な場所でスキルを発揮

ドックでの整備作業には、定期的なものと突発的なものがありますが、AOGと呼ばれる突発的な整備は国内だけでなく海外にも行きますし、就航している基地以外に途中の航路に出張してエンジン交換などを行うケースもあります。AOGで出張する場合は10〜15人のチームを編成して現地へ行きますので、若い整備士も早い段階から様々な経験を積むチャンスがあると思います。

資格取得へのチャレンジは、
新しい機種に携わる楽しみを広げてくれる

整備が終わった機体の最終確認をする役割が確認主任者の資格です。確認後にログと呼ばれる航空日誌にサインをして無事飛んで行く姿を見る時にこの仕事をやっていてよかったと感じます。機体整備には機種毎の資格が必要なので新しい機種が導入されるたびに勉強が続く大変さもありますが、新しい機体に携われるというモチベーションにつながりますし、この仕事の楽しさのひとつだと思います。

ものづくりへの興味と
TVドラマに憧れて整備士の世界に

子供の頃からものづくりが好きで、高校生の時にANAを舞台にした人気のTVドラマで整備士という職業を知りました。その後進路を決める時期に高校の先生に相談して航空専門学校へ進学して今に至っています。飛行機に関するスキルは入社後に学ぶものなので、それよりも自分のモチベーションを保ち続けることが重要です。とくに機体整備は大きなものをチームで交換する作業が多くありますのでチームワークが大切です。お互いにコミュニケーションをしっかりとってチーム全体でスキルを発揮できることがこの仕事の魅力だと思います。

CAM 客室整備

お客様とともに空を旅する機内設備。五感を使って安全・快適・信頼をカタチにする

客室整備は、お客様が機内で直接触れるシートやギャレー、ラバトリー等の点検、修復、改修などを行います。ドックに搬入された航空機は、客室内の機内用品を取り外し、詳細な目視点検と作動点検を行います。作業者自身の五感を頼りに細かい部分までこだわり、搭乗されるお客様に満足していただける空間を提供します。

Interview インタビュー

客室整備 太田 由佳 2016年4月入社 高等専門学校卒業

お客様に最も近い整備士として
快適で安全な客室を提供する

客室内の装備はリニューアルが早いのが特徴です。他の部署では機体メーカーからの指示で変わる事が多いのですが、客室はエアラインが申請して通れば改装できるので各社の個性が出ます。中東のエアラインなどはシャワー付きもありますし、LCCはピッチが狭く席数が多いなど、それぞれに個性があります。個室タイプのシートや世界初となる4K対応モニターを備えたシートなど、新しい技術に対応した知識を身につけなくてはなりません。きれいで快適な客室で次のお客様が気持ち良く乗っていただけるように整備するのが我々の仕事です。

先輩女性整備士も活躍する、とても働きやすい職場

子供のころからものづくりが好きだったので、手に職を付けたいという気持ちで高専に進み、電子情報工学科でプログラミングを学んでいました。e.TEAMのインターンシップに参加したときに、ドックでちょうど客室改修を行っていて、機体から取り降ろされたシートがずらりと並んでいる光景を目にしました。それまで飛行機に乗ったことがなく、飛行機のシートが取り外せるということにとても驚いて、その時に飛行機に対する興味がわいてこの仕事を選びました。私が所属している客室整備部は他の部署に比べて女性整備士が多く活躍しているのでとても働きやすく、家族のような一体感のある職場です。

最終的な目標は現場の最前線で
活躍できる整備士になること

最近では業務内容の幅が広がり、ドック内での客室整備以外にも客室改修の手順書の作成や整備作業マニュアルの改訂業務なども行っています。技術スタッフ業務での経験は、現場での作業にとても役立っています。現場の最前線は常に変わっていく必要があると思います。将来的には客室整備の最前線で活躍したいと思っていますので、自分の手で整備した飛行機をお客様に提供していくために新しいことにも挑戦し続けます。

MAM 構造整備

航空機の構造を隅々まで熟知し機体構造に関する修理・改造を行う

航空機の機体構造に関するスペシャリスト集団として、整備や不具合修復だけでなく機体設計の改修や重要構造部材の補強なども担います。熟練整備士は経験や知識を発揮し、若手整備士はその技術や手法を日々修得し、実作業に必要なノウハウを身につけます。正に職人の世界であり匠の技を伝承しながら整備を行っています。

Interview インタビュー

構造整備 藤原 庸平 2006年4月入社 大学卒業

構造整備はベテランの技を受け継いだ
スペシャリスト集団

構造整備の特徴は金属材料でできた機体構造への穴あけや研削をはじめ、近年、広く使われるようになった複合材料(炭素繊維やガラス繊維等を接着材で固めた材料)でできた構造部材の接着修理等を行い、部品交換ではなく製造に近い職人的な作業が多いことです。使用する工具もドリルや金属加工のヤスリなど、他の整備とは違った工具を使います。構造整備で実施した修理や改修は、その機体が退役するまで残り続けることになります。全く同じように見えても、機体番号を見れば自分の手掛けた飛行機だとすぐわかりますので、ターミナルからお客様を乗せて安全に飛んで行く姿を見ると、やりがいをとても身近に感じられます。

スタッフ業務と整備の両方を
経験したことを活かした総合的な視点

私は整備の現場を経験したあと、総務部に異動となり、人財育成や採用をはじめとするスタッフ業務を4年間経験しました。今はその経験を活かして、幅広い視点で整備の仕事を見るように心がけています。そして、課題に対して上司や職場の仲間と連携し、どのようなアプローチで解決に導いていくか、そうした部分にこれまでのキャリアを活かしていきたいと思っています。

1+1の結果が2に留まらず、
3になることもある。
それがチームワークの素晴らしさ

ドックでの整備作業はスキル毎にチームを組み、時にはひとつのゾーンに20~30名の作業者が関わります。私の役割はチームのメンバーがより働きやすく、より強いチームワークで優れたパフォーマンスを発揮できるようにすること。作業者の担当をどのように割り振るか、その采配は非常に奥深く、的確なコントロールが求められます。その中で作業の優先順位を考えたり、より多くの作業者が必要となる場合は他のドックから作業者を集める調整を行ったりします。整備の現場には作業経験の浅い若手から経験豊富なベテランまで様々なメンバーがいます。その中で先輩から後輩へのスキル伝承も加味しながら、最良の組み合わせを考えます。その結果、1+1が2に留まらず、3以上のアウトプットに繋がる場合もあります。このように飛行機の整備は、技術の奥深さに加えて、とても人間らしさを感じる仕事でもあります。

EEM 電装整備

最新のエレクトロニクス技術で航空機の安全と快適さを支える

航空機には安全に飛行するために非常に多くのコンピュータが搭載され、電線やLAN、光ファイバーケーブルを通じて互いに情報を交換しています。機体に張り巡らされた無数の配線や様々な電装品の整備は、エレクトロニクスに精通した整備士によって行われています。また機内のWi-Fi設備設置など、新しく追加する装備品関係の配線作業やその他改修作業も担っています。

Interview インタビュー

電装整備 柳井 隆宏 2017年4月入社 高等専門学校卒業

お客様からは見えない縁の下の力持ち
として最適なサービスを支える

飛行機の内部には無数の配線が張り巡らされていますが、それぞれの配線には住所のような番号が割り当てられています。それらを手順書と照合し、テスターで電気が来ているか調べながら、どの装備品に原因があるか、機体側に原因があるのかを判断し、不具合箇所を特定していきます。最近はソフトウェアで制御しているものが多く、原因の特定が複雑になります。そのため、幅広い視点が求められ、先輩方の経験や知識から技術を習得し、試行錯誤しながら作業を行っています。

高専で学んだことは
新しい知識への理解に役立つ

高等専門学校でプログラミングや電気系の勉強をしてきました。高専対象のインターンシップを体験し、飛行機が好きだったこともあり、電装整備で役に立てるのではないかと思い、この仕事を選びました。学校では、飛行機に関する勉強はありませんでしたが、入社後の訓練で、基礎的な知識を学べるので、何もわからないまま進むようなことはありませんし、やっていれば自然と身につく部分もあります。また、先輩方も親身に教えて下さるので、飛行機を専門に学んでいなくても、心配することはありません。

国家資格の取得は目標であり
通過点でもある

今後の目標は、深度の深い整備をするための社内資格を取得し、さらには、整備を行った飛行機をお客様に提供するための国家資格である、一等航空整備士を取得することが第一の目標です。資格取得はその先へ進むために必要な通過点でもあるので、仕事と勉強の時間を無理なくやりくりする工夫をしながら資格取得に向けて努力しています。また、海外で製造や整備された飛行機を受領したり、さまざまな不具合にも対応できる知識と経験を持ち合わせ、活躍できる整備士になりたいと思います。

COMPONENT 機装品整備

高度な専門技術と豊富な経験をもとに航空機装備品の整備品質を高める

ショップと呼ばれる格納庫とは別の作業場において、航空機の様々な装備品の点検・修復作業をしています。航空機の離着陸を支えるフラップやスラストリバーサー(逆推力装置)など、大型装備品からパイロットのシートまで、様々な装備品をメンテナンス。特殊な装備品も高度な専門技術で整備することにより、お客様の「安心」をサポートしています。

Interview インタビュー

機装品整備 牧 朋弥 2010年4月入社 工科系短期大学校卒業

興味を持ったキッカケは
自分の学んできた技術が使われていたこと

私はモノづくりに携わる仕事を希望していました。飛行機の装備品の整備にボンディングや接着の技術が使われていることを知って興味を持ちました。飛行機の形状には曲面や複雑な形状のものが多く、平らな材料を曲げたり成形して繋いでいきます。これは経験がモノを言う作業です。材料ごとに違う性質を理解しなければうまく加工出来ません。まだまだ経験が浅く、先輩に指導していただきながら作業することもあります。

スキルアップは自分次第
様々な道が用意されている

新しい装備品を取り扱うたびに新しい知識や技能を身につけるチャンスがあります。自分のステップアップにつながるチャンスですから、常に向上心を持って取り組んでいます。目標は航空工場整備士の国家資格を取得して、その資格を活かすこと。目指す道がたくさんある職場ですから、スキルアップの可能性は様々です。自分の希望があれば、叶えられやすい環境です。だれにでも成長のチャンスがある職場です。

TRAINING SUPPORT 訓練サポート

専門性の高いエンジニアリング業務でANAの訓練品質をサポート

訓練サポート部は、ANAグループ唯一の訓練機器の管理・保守部門として、長年培ったシミュレータ整備の技術をベースに、整備から技術管理業務までを行っています。航空局のシミュレータ認定・維持業務をはじめ新機種シミュレータの導入や改修の企画など、トータルなエンジニアリング業務を担っています。最新技術によって日々進化する航空機に合わせて、訓練も進化し続けています。そうした訓練ニーズに応えるべく、積み重ねてきた技術力をベースに最新の技術を取り入れ、訓練機器の整備・改修・導入に取り組んでいます。世界的にも数少ない、訓練機器のトータルマネージメントを行うエンジニア集団を目指しています。

訓練サポート概要図

  • 整備部門
  • 技術部門

Interview インタビュー

訓練サポート部整備課 正岡 航典 2020年4月入社 航空専門学校卒業

この会社を選んだ理由

子供のころから家族で飛行機に乗ることが多く、よくパイロットやCA、空港で働いている人たちを見て憧れを持ちました。
航空専門学校へ進学し、そこでフライトシミュレータやアビオニクスの勉強をしていくうちにシミュレータ整備の仕事に魅力を感じ、現在の職場を選びました。

業務内容とやりがいを感じる瞬間

主にパイロットが訓練で使用しているフライトシミュレータとCAが訓練で使用しているモックアップの整備、保守・点検をしています。機体整備部門とは異なり、シミュレータを整備する知識と飛行機を操縦する知識の両方を学ぶことができます。
一番やりがいを感じる瞬間は整備をする中でANAが保有している全ての飛行機の操縦に携わることができるところです。シミュレータはパイロットがよりリアルに訓練ができるようにしていかなければなりません。そのために実機同様に飛行前点検があり、我々でそのシミュレータが正常であるか離陸から着陸、飛行中に計器が正常であるかの確認まで行います。整備の知識だけでなく飛行中に計器類がどのような反応をするか理解している必要がありますので、やりがいを感じます。

今後挑戦してみたい業務

国内外の出張業務に挑戦してみたいです。国内出張ではANAが保有しているシミュレータの整備だけではなく、大学や航空大学校等が保有しているシミュレータの整備を実施しています。また導入しているシミュレータは外国製ですので、新しいシミュレータの導入などで海外出張に行くこともあります。現在はまだ知識がありませんので、少しずつシミュレータの知識と英語を勉強していき、その仕事に携われるようにしていきたいです。

Interview インタビュー

技術部門 堀 信明 2008年4月入社 大学卒業

シミュレータの世界に衝撃を受け
強く興味を惹かれました。

小さい頃から機械が好きで工業系の学校に進学し、18歳の時に初めて飛行機に乗りました。その時、あんな大きなものが空を飛ぶということが信じられませんでした。それが飛行機への興味の始まりです。機械好きでしたから機体の整備を目指して就職活動を開始。そこでシミュレータの世界を初めて知りました。そういうものが存在すること自体知りませんでしたので、衝撃が大きかったですね。機体整備とは全く違う世界でした。

ボーイング787のローンチエアラインであるANA
すべてが世界で初めて起こること

ボーイング787はANAグループが世界に先駆けて導入した飛行機です。パイロットの養成も世界初で、シミュレータも世界で最初に訓練を開始しました。そこで日々起こることはすべて世界初。前例のない不具合やイレギュラーなことばかりで、最初は何をどうしていいのか戸惑いました。どうやって直せばいいか、試行錯誤の毎日が続きました。調べては試し、メーカーに問い合わせをするなどしました。シミュレータメーカーや、航空機のメーカーとも協力して密に連携をとっています。

航空局から認定を受けるのも
重要な業務のひとつ

技術課の仕事のひとつに航空局の認定業務があります。シミュレータは、年に1回必ず航空局の定期検査を受けなくてはなりません。実際の飛行機とシミュレータのデータが一致しているか、というデータを航空局に提出して承認を受けます。航空局の方に訓練センターに来ていただく場合もあります。この航空局の承認がなければ、シミュレータでの訓練が出来なくなってしまいます。非常に重要な仕事です。

自分の仕事が安全な運航を
サポートしている

パイロットは非常に臨場感を持って訓練を行っています。飛行機と全く同じ操縦環境の中で、緊急時の状況を想定した訓練を行っています。自分たちが訓練自体に関わることはありませんが、毎回無事に訓練を終えて帰っていくのを見ると自分たちの整備した機材が役割を全うしてくれたという安堵感があります。そして安全な運航の一部を担っていることを実感します。

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